マネー、著作権、愛

創作、学習、書評など

悪魔の契約 ~ 著作権譲渡について

今回は、一部のクリエイターから忌み嫌われている 「著作権譲渡」について、ちょっと考えてみよう。 クリエイターの目線から あなたはフリーの若手イラストレイターだ。 自分の仕事に誇りを持っている。 ある日、塗装業の会社から依頼が来た。 「弊社は塗装…

冬の日差しに感謝しよう

冬の本 本格的な冬が来る前に、読んでほしい本がある。 『八甲田山死の彷徨』 戦後に活躍した小説家・新田次郎氏の傑作だ。 日露戦争が目前にせまっていた時期。 ロシアとの戦いに備えるため、 日本陸軍は寒冷地での予行演習をする必要があった。 雪と寒さの…

マンガ作ったよ! & 権利はいつ切れるのか?

マンガ完成 制作していたマンガが完成した。 マンガ「助手席には流れ星」 (※実際の色味はもっと綺麗。写真撮影は苦手) 物流会社からの依頼を受けて制作したものだ。 トラック運転手が謎の女性と出会い、 ドライバーとして、人間として成長していく物語にな…

日本は英語を愛しすぎている。憎みすぎている。(2)

日本人は英語に複雑な感情を抱えてることを、 前回の記事では解説した。 健全な「憧れ」と「劣等感」。 そして、不健全な「罪悪感」。(「後悔」と言ってもいい) 教育界から(意図的に)コンプレックスを植え付けらえれた我々は、 どうしたら良いのだろう?…

日本は英語を愛しすぎている。憎みすぎている。(1)

大学入試に民間の英語試験を活用する件について、 延期が決定され、大騒ぎになっている。 ●安どと不満の声 英語民間試験延期 教育現場から https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191101/k10012160221000.html 「若者たちには世界で活躍してほしい!」 「英語…

ゲームの歴史と著作権の未来を考える

ゲームとは、映画である。 いやいや、別に比喩表現で深いことを語りたいわけじゃない。 著作権の世界では、 ゲームは間違いなく映画だということになっている。 そういう話だ。 著作物のジャンル 小説、音楽、絵画・・・など、 著作物と言われるものには色ん…

読書は数珠つなぎ

読書の楽しみ 秋は本を読もう! たくさん読もう! 「あ!ここで書かれていることは、 あの本の内容とつながってる!」 そんな発見があれば、 読書は途方もない楽しみを与えてくれる。 今回は良い本を紹介しつつ、 頭の中で本の記憶がつながっていく様子も説…

ダウンロード違法化ウォーズⅡ ~文化庁の逆襲~(2)

前回、法改正に失敗した文化庁。 今回は本気だ。 何が何でも「ダウンロード違法化」を成立させようとしている。 文化庁が実施中のパブコメについて見ていこう。 (パブリックコメント。パブコメ。 国民に広く意見を求めること) まずは結論 この話をしている…

ダウンロード違法化ウォーズⅡ ~文化庁の逆襲~(1)

ネット上に違法にアップされている文章やマンガをダウンロードすると、 著作権侵害になってしまう! そんな法改正に向けて文化庁がまた動きだした。 すごい執念だ。 ダウンロード違法化の経緯 ダウンロード違法化については、けっこうな話題になったので、 …

今、肖像権が熱い!

肖像権の円卓会議 肖像権についての勉強会に参加してきた。 いや~、熱い会だった。 「肖像権ガイドライン円卓会議 ー デジタルアーカイブの未来をつくる」 http://digitalarchivejapan.org/3661 主催は「デジタルアーカイブ学会」。 日本中にある歴史、伝統…

JASRAC 嫌いの人を、キャバクラから理解する

「ちょっと音楽つかっただけなのに請求書が来た!」 「JASRAC(ジャスラック)は金の亡者だ!」 「あいつらはカスだ!カスラックだ!」 あいかわらずJASRAC嫌いの人は多い。 「JASRACから音楽を守る党」なんてものも出来そうな勢いだ。 ●JASRACから音楽を守…

能年玲奈さんの名前は誰のもの? 肖像権の深淵に挑む(5)

ここまでは、肖像権や人の顔を中心に解説してきたが、 今回は人間を表すそれ以外の要素についても浅く広く考えてみよう。 能年玲奈の決起集会 最近、ヤマダ君の気分が晴れない。 ブログ「Mr.ヤマダのカスミウォッチ!」に有村架純さんの記事を 毎日更新して…

整形アイドルの顔は誰のもの? 肖像権の深淵に挑む(4)

おさらい ここまで3週にわたって肖像権について見てきたが、 簡単におさらいしておこう。 まとめると、以下だ。 ・肖像権について定めた法律は無い。 ・肖像権は、あいまいな権利。 だからこそ「私には肖像権がある!」と強く主張する人もいるので、 注意が…

タレントの本やグッズを勝手に発売しても大丈夫なのか? 肖像権の深淵に挑む(3)

「肖像権」は、 「肖像権」と「パブリシティ権」の2つの権利に分けられる。 今回は「パブリシティ権」の方について説明しよう。 スズキ君の異変 最近、スズキ君の様子がおかしい。 ヤマダ君と2人で有村架純さんについて語り合っているときも、 何だか身が…

自分の顔が勝手にネットにのせられた場合、訴えたら勝てるのか? 肖像権の深淵に挑む(2)

前回の記事では「肖像権」と一言でいっても、 「肖像権」と「パブリシティ権」の2つの権利に分けられることを 説明した。 今回は「肖像権」の方についての判断基準、 つまり「肖像権で訴えた場合に勝てるかどうか」の基準について 解説したい。 ヤマダ君の…

タレントの写真を本人に無断で使って良いのか? 肖像権の深淵に挑む(1)

自分の好きなタレントの顔写真を、 タレント本人(もしくは所属事務所)の許可なく勝手に使った場合、 問題はあるのだろうか? 今回はこの疑問に答えたい。 ファンがブログで使う場合 ヤマダ君という人物を想像してほしい。 彼は女優・有村架純さんの大ファ…

歌手たちの大胆な戦略変更(2)

お笑いタレントと事務所のゴタゴタ騒ぎに世間の視線が集まっているが、 もっと大きなゴタゴタが静かに進行している。 歌手たちとレコード会社が 業界全体でつばぜり合いを始めているのだ。 復習 かるく前回の復習をしておこう。 音楽業界には3人の登場人物…

歌手たちの大胆な戦略変更(1)

エンタメ業界やクリエイティブ業界が、何やら騒がしい。 ☆吉本興業・お笑いタレント・反社会的勢力 人気お笑いタレントが反社会的勢力のパーティーに参加して ギャラをもらっていたという事件。 それがきっかけになって、 吉本興業と所属タレントのあいだで…

追悼。 京都アニメーションの皆様。

京都アニメーションで34人の方が殺された。 (追記:36人になってしまいました) 負傷した方も30人以上いる。 彼らは東京でなくても素晴らしいアニメが制作できることを 証明し続けていた。 なぜこんな酷い目に合わなければいけなかったのだろう。 放…

金魚を電話ボックスに入れてもOK!/JASRACの潜入調査を擁護する

以前書いていた記事に関連する出来事が 立て続けに起きた。 話題は2つある。 ・金魚電話ボックス事件の裁判の内容が判明した。 そして、がっかりした。 ・JASRAC(ジャスラック)が 音楽教室に❝潜入調査❞していたことがニュースに。 それって話題にするほど…

「KIMONO(キモノ)」ブランドが炎上した本当の理由

「KIMONO(キモノ)」の炎上 アメリカのセレブであるキム・カーダシアン氏が 補正下着の新ブランドを立ち上げた。 ブランド名は「KIMONO(キモノ)」だ。 彼女が商標登録出願をしたところ、炎上した。 「KIMONOは日本の伝統衣装であって下着ではない!」 「…

オシムの言葉とナシームの言葉

『オシムの言葉』 『オシムの言葉』は ノンフィクション・ライターの木村元彦氏の書いた本だ。 世界的なサッカー指導者であるイビツァ・オシム氏の 「名言」を中心に据えながら、 ・サッカー界における偉大な業績 ・多くの選手に愛される人柄 ・祖国ユーゴス…

グーグル VS ディズニー 抗争の勃発とその行方を予想する(5)

ここまでは、 著作権の世界における左派思想と右派思想や、 ディズニーとグーグルの生い立ちや現状を見てきた。 ディズニーは、その幼少期に著作権のトラウマをかかえ、 少しひねくれてしまった結果、右派思想に目覚め 著作権を強く主張するようになった。 …

グーグル VS ディズニー 抗争の勃発とその行方を予想する(4)

今回は、グーグルがその知力の限りを尽くして引き起こした 著作権史上最大のクーデター事件について見ていこう。 グーグルの発想 著作権には「左派思想」と「右派思想」がある。 右派思想は以下の主張をしている。 「作品はそれを生み出した作者のものなので…

グーグル VS ディズニー 抗争の勃発とその行方を予想する(3)

前回はディズニーについて著作権の観点から解説した。 今回はグーグルについて書こう。 世界を作り変えそうな勢いの巨大で多面的なIT企業。 今世紀を代表する天才的頭脳をもつ2人の創業者。 その全てを理解できると思えるほど、私もうぬぼれてはない。 し…

グーグル VS ディズニー 抗争の勃発とその行方を予想する(2)

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を見てきた。 ❝俺たちの❞ゴジラが世界を舞台に大暴れする姿には、胸が震えてしまう。 宿敵のキングギドラと激突するシーンでは、ぞわぞわと鳥肌が立つ。 怪獣が魅力的すぎるせいで、 人間のシーンが「余分なもの」に見…

グーグル VS ディズニー 抗争の勃発とその行方を予想する(1)

私はグーグルとディズニーの間で争いが起きると予想している。 その抗争は、 経済的・ビジネス的な戦いである以上に、 思想的・宗教的な戦いとなるだろう。 そう考える理由と戦いの行方について、 これから数回かけて説明していこう。 著作権における左派と…

契約書はアートだ!(5) 作品を使わせてもらう場合

バーバリー、イソジン、リッツ、オレオ 「バーバリー」と言えば、イギリスの高級コートだ。 「イソジン」と言えば、日本中で親しまれている「うがい薬」だ。 「リッツ」「オレオ」と言えば、みんなが大好きなお菓子だ。 これらに共通する「あること」を知っ…

契約書はアートだ!(4) あなたの作品を使わせてください!と言われた場合

前回は「新規で発注を受けた場合」の契約書について解説した。 今回は「すでにある作品を使わせる場合」について考えてみよう。 「あなたのキャラクターをゲームアプリに使わせてください!」とか、 「あなたのブログを出版させてください!」のようなケース…

契約書はアートだ!(3) 依頼を受けて作る場合

新時代を迎えました。 令和の世では、 これまで以上に素晴らしく多様な文化作品が生まれることを願っています。 読者の皆様、今後ともよろしくお願いいたします。 場合分け 前回に引き続き、契約書との向き合い方について考えてみよう。 ここからは先は、場…