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タレントの独立騒動!テレビ局はどちらの味方をすべきか?(1)

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

 

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相変わらず、コロナが猛威をふるっている。

以前に予想した通り、日本は締めたり緩めたりを繰り返しながら、

長期戦をダラダラとやっている状態だ。

 

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専門家の言っていたことは、最初から正しかった。

中途半端な知識人が

「他の病気と比べてたいしたことはない」

「マスコミも一般大衆もすぐ飽きるだろう」

「経済活動とのバランスを・・・!」

などと言っていたが、全て間違っていた。

 

家にいよう。

 

続発するタレントの独立

予想通りといえば、タレントと事務所の動向についても、

以前に予想した通りの展開になっている。

 

芸能事務所からの大物タレントの流出が止まらない。

 

● 中居正広の独立で浮かび上がったジャニーズ事務所「崩壊の危機」

https://friday.kodansha.co.jp/article/99269

 

米倉涼子らに続き剛力彩芽も「オスカープロモーション」を退所 今年3月に設立した個人事務所を軸に活動

https://www.chunichi.co.jp/article/112479

 

吉本興業オリエンタルラジオと31日付で契約終了へ 「2人の意向尊重」

https://mainichi.jp/articles/20201228/k00/00m/040/243000c

 

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なぜこのような事態が起きるのか?

 

週刊誌に載っているような、

「マネージャーとタレントの仲が悪くて・・」とか

「事務所の社長がひどい人で・・」とか

そういう理由なのか?

 

それにしても、ここ最近タレントの独立が多すぎやしないか?

 

SMAP謝罪事件と公正取引委員会

業界全体に大きな影響を与えたのは、

皆さんもご存じの通り、SMAPがゴールデン番組で謝罪することになった

SMAP謝罪事件」と、それに続く一連の公正取引委員会の動きだ。

 

すでに世間では解説記事も出ているが、

ここでも分かりやすく説明しておこう。

 

リスクとリターン

どんなビジネスでも「リスクとリターン」で考えると、

わかりやすい。

 

リスクをとる。

 ↓

成功すればリスクをとった人が儲ける。

失敗すればリスクをとった人が損する。

  

勇気をもってリスクをとった人こそが、

リターンを得る権利をもつ。

これが全世界共通のルールだ。

(たまに、そうじゃない不公平なモデルもあるけど)

 

芸能事務所とタレントの関係でいうと、

リスクをとっているのはどちらか?

 

芸能事務所だ。

 

売れるかどうか分からない若者を雇い入れ、

先生にギャラを払ってレッスンを受けさせ、

マネージャーを雇ってプロモーションを行いデビューさせ、

その後も投資を続ける。

若者が売れるまで、お金は出ていくばかりだ。

それでも、タレントとしてブレイクするのは、百人に一人。

芸能事務所の経営は非常にリスキーだ。

 

そのブレイクした若者が獲得したギャラをどうするか?

当然に芸能事務所が取り分を要求できる。

リスクをとった人がリターンを得るのがルールだから。

事務所は、1人のブレイクタレントのギャラを残りの99人に

配分し投資を続けながら、次のブレイクタレントを育てる。

これが一般的な日本型の芸能事務所のビジネスモデルだ。

才能はあるがお金のない若者にとっては、

芸能事務所は非常にありがたい存在だ。

ブレイクするまで、

(ある程度までは)芸能事務所がリスクを負ってくれるのだ。

 

これは日本の代表的な芸能事務所が集まって作った

日本音楽事業者協会音事協)」の見解でもある。

 

●一般社団法人日本音楽事業者協会

 芸能プロダクションビジネスに関するFAQ

https://www.jame.or.jp/about/production.php

 

よく

「タレントが事務所に搾取される日本の芸能界はおかしい。

 欧米型のエージェントシステムに移行すべきだ」

と言う人がいるが、

その人は

「リスクを負わない若者にチャンスを与えるシステムはおかしい。

 タレント志望者は売れたかったら自分でお金を使って世に出るべきだ」

ということを、裏側から言っているにすぎない。

 日本型と欧米型のどちらにもメリット・デメリットがある。

 

商品は何?

しかし日本型には致命的な弱点がある。

 

芸能事務所の扱う商品は「人間そのもの」だ。

車、宝石、不動産、食料品・・・そういった一般的な商品と違い、

人間という商品は、「自分の意志」をもっている。

「人権」をもっている。

 

プリウスという車が「俺はトヨタをやめて独立する」と

言い出すことはないが、人間は意思をもっている。

 

ブレイクしたタレント本人が

「俺の才能で稼いだギャラが芸能事務所に吸い取られて、

 才能のない他のタレントにバラまかれるのは我慢できない。

 俺のギャラは俺のものだ!

 独立しよう!」

などという、

リスクを負った事務所からみるととんでもなく“不埒な”考え方に

目覚めてしまうことがあるのだ。

 

タレントにも「人権」があるので、

彼らには自由に独立したり事務所を移ったりする権利がある。

 

事務所としては、これを阻止したいので、

契約で独立や移籍を禁止したり、

さまざまな政治力を駆使したりして、

「タレントは自由に独立できないんだぞ」という思想を

タレントや世間に植え付けることに力を注ぐようになる。

 

こうした枠組みの闘争の中で、

独立騒動をきっかけに消えていったタレントは数知れない。

 

そしてついに、あの事件が起きた。

SMAP謝罪事件だ。

 

この後の流れについては、次回に解説しよう。

 

 

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https://twitter.com/Kei_Yoshizawa_t

 

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