マネー、著作権、愛

創作、学習、書評など

パクリならNG! オマージュならOKか?(簡略版)

この時期、家にこもって創作活動にはげんでいる人も多いと思う。

 

小説も漫画も音楽もゲームも、

読んだり聞いたりするより、自分で生み出す方が楽しい。

生みの苦しみも、楽しみの一つだ。

 

創作活動の初心者は、まずは人マネから始めるのが普通だ。

文化というものは、いつもそうやって生まれてきた。

 

例えば漫画。

有名な作品のキャラクターや世界観を借用して、

作品を作るひとも多いだろう。

いわゆる「二次創作」というやつだ。

 

個人的な範囲で楽しんでいるなら、それで問題ない。

でも、それをコミケで販売するなら?ネットにアップするなら?

「個人的な範囲」とは言えなくなってくる。

著作権的に問題はないのだろうか?

 

「パクリはダメなのは知ってるけど、パロディなら許されるの?」

「「あなたの作品を尊敬したオマージュです」といえばOKになるの?」

「パロディ、オマージュ、リスペクト、インスパイア。

 著作権的に許されるのはどれ?」

というのは、よく聞く質問だ。

 

著作権的な解説

パロディ、オマージュ、リスペクト、インスパイア。

どれも、著作権上の用語ではない。

 

だから、

「これはオマージュだ!」

「リスペクトしてます!」と言っても、

著作権的には全く関係ない。

 

ある作品が他の作品の著作権を侵害しているかどうかは、

以前に解説した通り、「3つの条件」で判断される。

 

1.元になった作品が「著作物」である。

2.元の作品を見た上で二次創作した。

3.元の作品と二次創作の作品が似ている。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

1.元になった作品が「著作物」である。

漫画、小説、音楽、ゲームなど、一つの作品として成立しているなら、

ほとんどのものは「著作物」と言える。

短い文章だったり、シンプルなロゴマークのようなものでない限りは、

著作物だと考えた方がよい。

 

2.元の作品を見た上で二次創作した。

これは「二次創作」である以上は前提になっている話だ。

逆に言うと、元の作品の存在を知らずにたまたま似てしまっただけなら

著作権侵害にはならない。

 

3.元の作品と二次創作の作品が似ている。

単なるアイデアレベルではなく、

具体的な表現部分が全体として似ているという意味だ。

「未来から殺人ロボットが送り込まれてきて、

 人類の存亡をかけて戦う」

という程度の設定が似ているのなら問題ない。

それは単なるアイデアだからだ。

もっと具体的なキャラクターの描写やストーリー展開が似ていれば、

「似ている」ということになる。

 

上記3つ全てがあてはまると、著作権侵害になる。

 

コミケ等でよく見る二次創作作品は、ほとんどの場合は

著作権侵害ということになるだろう。

 

実際は

実際には素人の二次創作が問題になることはほとんどない。

元の作品の権利者(多くの場合は作者)が、

問題だと思っていないからだ。

プロである彼らも昔は二次創作をしながら成長してきた。

だから二次創作が大切な文化の土壌だということは分かっている。

自分の作品がマネされて単純にうれしいという理由もあるだろうし、

結果的に認知度があがってビジネス上もプラスだという理由も

あるだろう。

 

ただし、ごく一部の例外はある。

 

ポケットモンスター」を成人向けの漫画にして販売した事件。

ポケモンのイメージが悪くなるから、権利者も黙っていられなかった。

 

ドラえもん」の「最終回」が同人誌として販売された事件。

あまりに出来が良すぎて評判になったせいで、権利者も無視できなくなった。

 

どちらも著作権侵害にあたるので、販売は止められることになった。

 

つまり、こういうことだ。

 

二次創作をしても99%は問題にならない。

ただし、「あまりにもひどい内容」のときと

「あまりにも素晴らしい内容」のときだけは、

問題になるかもしれない。

 

まとめ

・パロディ、オマージュ、リスペクト、インスパイアなど、

 どう表現しても著作権的には関係ない。

・二次創作は、ほとんどのものが著作権侵害になる。

・素人の二次創作については、

 権利者が問題視しないので、実際には問題にならない。

・あまりに極端に悪いもの、良いものであれば、

 問題になることもある。

 

二次創作は楽しい。

十分に楽しんだあとは、

少しずつオリジナリティーを高めていけば、もっと楽しくなる。

いずれは完全オリジナル作品を作ってほしい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

同じテーマの記事は過去にも書いている。

興味があれば、こちらも読んでほしい。

 

www.money-copyright-love.com

 

 

Twitter

https://twitter.com/Kei_Yoshizawa_t

 

 

www.money-copyright-love.com