外出できないこの時期、
「家でテレビを見る以外やることがない」
という人も多いと思う。
でも、テレビ局も新作番組のストックがそろそろ無くなりそうだ。
テレビ局は制作班を2班に分けるなど工夫をしながら
番組制作を続けている。
「報道番組」や「情報番組」など、
生放送で情報を伝える番組はそれでなんとかしのいでいる。
しかしゴールデンタイムで流される
「ドラマ番組」や「バラエティ番組」は、
どうにもしようがない。
今までの制作体制は、
出演者も3密。
撮影スタッフも3密。
ポスプロ(編集等)も3密。
3密てんこもりだった。
3密をさけて作るノウハウが存在しない。
ドラマ番組とバラエティ番組の制作はストップしてしまっている。
日本文化の大きな一角を占めてきたテレビ番組だが、
曲がり角にさしかかっている。
おそらくコロナはそんなに簡単に収束してくれない。
今後は3つの段階をたどることになるだろう。
●第1段階(1~2か月程度)
今後1~2か月は「総集編」の次期になる。
特にバラエティ番組では、
「とにかく制作を再開できるまで、
過去の名シーンをつなぎ合わせて番組を成立させよう。
総集編でも「新作」は「新作」だ。
放送枠に穴をあけてはいけない。」
という考え方が大勢になる。
●第2段階(2か月~1年程度)
2か月程度をすぎると「再放送」の次期になる。
総集編を作ろうにもネタが尽きる。
いつまでも総集編ではもたない。
半ば諦めの気持ちで、
過去の番組に編集を加えずにそのまま流す再放送が主流になる。
「俳優の〇〇が選ぶ、もう一度見たいあのドラマ」、
「大御所タレントが選ぶ、伝説のお笑い番組」などの企画が
多くなるだろう。
(番組の冒頭で俳優がお勧めコメントを言うために少しだけ出演する)
●第3段階(1年程度以降)
1年を過ぎたころから「新たなテレビ番組」の時期になる。
再放送ばかりでは、テレビがもたない。
テレビは「今」の文化を伝えるメディアだ。
3密を避けながら面白い番組を作るノウハウが模索されるようになる。
撮影スタッフを密閉空間に閉じ込める「スタジオ」や、
お笑いタレントを密集させる「ひな壇」や、
役者同士が密接になる「会話劇」などに代わるものが必要になる。
それがどんなものなのか?今はまだ分からないが、
いち早く未来を見通しトライ&エラーを繰り返す番組制作者が、
次の時代のテレビ番組の覇者になるだろう。
コロナとの戦いは、長期戦になる可能性が高い。
コンテンツ制作にかかわるアーティスト、クリエイターにとっては
短期的にも辛い時期だと思うが、
こんな時だからこそ、
先を見越してコンテンツと文化の未来を考えないといけないと思う。
https://twitter.com/Kei_Yoshizawa_t