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コロナウイルスは移民問題を解決するのか?

コロナウイルスの猛威が止まらない。

社会の価値観も大きく変わろうとしている。

 

華やかなパーティーに出てSNSに上げていた

リア充」の皆さん!

これを機に、生き方を見直そう。

大切な人を守るために家で過ごそう。

 

家で本を読む方が、かっこいい。

そんな時代だ。

 

ヨーロッパの移民問題

私は今、移民問題に関する本を多く読んでいる。

移民といえば、トランプ大統領が建設したメキシコ国境の壁が有名だが、

移民の規模や議論の深まりから言えば、

ヨーロッパの方が中心地だ。

 

私の読んだ中では、これらの本が勉強になった。

どれも有名な本だ。

 

『西洋の自死 移民・アイデンティティイスラム

 

 

 

 『21Lessons 21世紀の人類のための21の思考』

 

 

 

服従

 

 

詳しくは上記を読んでみてほしいが、

ヨーロッパの移民問題を私なりに簡単にまとめたい。

 

EUの大失敗

アフリカ大国で続く政治上の混乱。

シリアで発生した内戦。

行き場を失った大量の難民がEUへ押し寄せた。

 

難民は助けるべきだ。

彼らは命の危険を負っている。

でも「難民」と「移民」の区別をつけるのは難しい。

お金を稼いで豊かな生活をするためにやってくる「移民」も

多くやってくる。

彼らは身分証を持っていないことも多いし、

入国するためには嘘もつく。

 

EUに大量の移民が流入した。

 

本来、難民の受け入れにはルールがあった。

一定の手続きが必要だし、彼らの移動にも制限があった。

しかしあまりにも大量にやってくるので、手続きが追い付かない。

受け入れ国の経済的負担も大きい。

その上、世間では

「難民はかわいそうだ!命を守れ!」の大合唱が始まった。

世論は1人の難民を受け入れることと、

30万人の難民を受け入れることの区別が本能的にできない。

圧倒的な数の前に事務手続きはパンクした。

ルールは❝なし崩し❞になり、

次々と移民が入国し他のEU諸国へ広がっていった。

 

その結果、多くの犯罪がおきた。

強盗、レイプ、人身売買、テロ・・・

それでもメディアは事実を正確には報じなかった。

「犯罪者は中東の〇〇国から来たアラブ人です」

などと言うと

「そんなこと報道したらアラブへの差別につながる!

 お前は人種差別主義者か!」

と抗議を受けてしまうからだ。

彼らは遠慮して「アジア系の人が・・」などと

曖昧な表現に逃げるようになった。

報道の自由は❝なし崩し❞になっていき、

人々は正しい事実を知れなくなった。

 

こうなると警察も及び腰になる。

外国人を集中的に取り締まろうとすると、

「警察は人種差別している!」と非難されてしまうからだ。

警察が立ち入れない無法地帯が次々と発生した。

そこでは法律ではなく、組織のボスや宗教的権威者が

物事を決めるようになる。

法による統治が❝なし崩し❞になっていき、

治安が悪化した。

 

無法地帯では、女性への迫害が平気で行われた。

性的なマイノリティーは差別された。

ユダヤ教のような宗教的マイノリティー

命の危険を感じながら生きるようになった。

人権思想が❝なし崩し❞に消えていった。

 

そんな状況でも、

イスラム教を批判したり揶揄したりするメディアもあった。

しかし彼らも襲撃を受けたり

「差別主義者」のレッテルを貼られたりして、

自由な発言ができなくなっていく。

表現の自由が❝なし崩し❞に奪われていった。

 

ヨーロッパ人の中では少子化が進んでいた。

彼らはあまり子供を作らない。

一方で移民は次々と子供を作る。

移民ルーツの人々が増えていく。

人口の比率がどんどん変わっていく。

 

古き良きヨーロッパの文化は消えていった。

彼らが拠り所にしたかったキリスト教文化は、

科学思想の発展をうけて、とっくの昔に活力を失っている。

一方でイスラム教は非常に強固なままだ。

 

ヨーロッパ人は自信を失った。

「俺たちの築いてきた文化・文明って、

 たいしたことなかったんだな」

と思うようになった。

 

ヨーロッパの文化は危機に瀕している。

 

コアバリュー(中心的な価値観)を守れ

なぜこんなことになったのか?

 

色んなことを❝なし崩し❞にしていったからだ。

 

最初はルールのなし崩し運用から始まった。

そこから色んなものが、なし崩しになっていった。

 

もちろん、差別主義はいけないし、

他者の文化を尊重することは大切だ。

それでも、絶対に譲ってはいけないラインはあったはずだ。

 

報道の自由

表現の自由

法による統治。

人権。

 

これは、ヨーロッパで生まれた価値観だ。

これを生んで定着させたヨーロッパ人とその文化を

私は尊敬している。

 

それなのに、

ヨーロッパ人が自分でその価値観を捨ててしまおうとしている。

 

どんなに批判を受けても、

文化のコア(中心)にある価値観を譲ってはいけないのだ。

 

揺り戻し

そんな状況の中で、一部のヨーロッパ人は

「俺たちのヨーロッパを取り戻そう!」

と立ち上がった。

いわゆる❝極右政党❞というやつだ。

 

(極右政党の中には、本当に差別主義的な発言をする人もいれば、

 穏当でまともな考えをする人もいる。)

 

いわゆる❝リベラル❞な政党が

「今どき国境を守るなんて古い!

 人命は大切だ!

 我々は分かりあえる!

 難民と移民を受け入れよう!」

と大合唱する一方で、

❝極右政党❞が

「国境を閉じろ!

 我々の暮らしを守る方が優先だ!

 これ以上の外国人の受け入れは御免だ!」

と大合唱している。

 

ヨーロッパの政界は、右と左ばかりになってしまった。

 

つまり、人々が分断された。

 

そこへ、今回のコロナショックだ。

 

各国は強制的に国境を閉じ、移民が入ってこれなくなった。

人々の移動はストップし、移民も自由がなくなった。

ある種の❝戦時体制❞に入っている。

戦時中に盛り上がるのが「ナショナリズム」だ。

「敵と戦おう!我が国を守れ!」となる。

 

この流れの中で、増える一方だった移民に急ブレーキがかかる。

各国の伝統的な文化を見直す機運が高まる。

 

ある意味、極右政党への強烈な追い風が吹き始めている。

この流れに乗って、EUを長年苦しめ続けてきた移民問題は、

❝解決❞してしまうかもしれない。

 

それでも、

「命の危機にさらされた難民をどう守るのか?」

という問題は残り続けるのだが・・・・

 

 

日本では

日本では、どうだろう?

 

2019年4月に入国管理法が改正され、

外国人の労働者を(条件つきで)正式に受け入れることになった。

 

しかし、議論はそんなに成熟していない。

 

日本の移民問題について読み応えのある本は、

私が読んだ中では見つからなかった。

 

多く見かけたのが、

「「同化主義」から「多文化主義」へ」

という議論だ。

 

「同化主義」とは、簡単に言えば

「郷に入りては郷に従え」という考え方だ。

移民の方が移民先の国(ホスト国)の文化に合わせていくべきであり、

言葉や習慣を変える努力を求めるものだ。

 

多文化主義」は、簡単に言えば

「お互いの違いを尊重しましょう」という考え方だ。

移民が独自の文化を保てるように、

ホスト国の方により多くの努力を求めている。

 

日本の多くの本で

「同化主義はもう古い。

 文化に上も下もない。

 お互いが違いを認め合って共生できるようにすべきだ。

 「同化主義」から「多文化主義」へ!」

と主張されている。

 

この主張自体は、100%正しい。

全く反論することができない。

「多様性」という言葉は、私の最も好きな言葉の一つだ。

 

しかし、である。

 

我々はヨーロッパの失敗から、もう少し学ぶべきなんじゃないか?

彼らは違いを認め合おうとして大失敗したんじゃないか?

「同化主義」さえなかなか上手くいなかにのに、

多文化主義」なんて上級者コースに進めるのか?

女性や性的マイノリティーを差別することが正しいという

相手の文化を尊重しても良いのか?

そもそも人間って、そんなに簡単に分かりあえるものなのか?

 

日本の議論は

ヨーロッパに比べて周回遅れの状況にあるように感じる。

 

コロナで大騒ぎの最近のSNSを見ても感じるが、

人間ってそんなに利口でもないし強くもない。

我々は少しずつ変わっていくしかない。 

 

 

日本文化のコアバリューは?

違う文化の人との交流が増えるに従って、

日本の文化とは何か?を考える機会が増える。

 

日本文化の絶対的に譲れないラインは?

我々の「コアバリュー」はどこにあるのか?

 

黄色人種であること?

皇室や神道や仏教?

武士道精神?

日本語?

GDPが世界3位であること?

清潔さや礼儀正しさ?

空気を読むこと?

ラーメンやマンガやアイドル?

 

グローバル化が進む中で、全てを保つことはおそらく出来ない。

何が日本文化のコアなのか?

ゆっくり考えても良いと思う。

 

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