コロナのせいか、イライラしている人が多いようだ。
ワイドショーで、SNSで、デモで、
誰かが誰かを批判している。
あなたが心を込めて作った小説、音楽、漫画などの作品が、
誰かに批判された場合について考えてみよう。
「この表現が稚拙だ。下手くそだ」
「この部分とこの部分がチグハグだ」
「作者の言ってることは間違っている」
「作者の人間への理解が足りない」
当然あなたは嫌な気持ちになる。
この批判にはの中には、あなたの作品がコピペで使われていた。
そこであなたは思いつく。
「これは著作権侵害なんじゃないか?
訴えれば勝てるんじゃないか?」
あなたは著作権侵害で相手を訴えるべきだろうか?
心の整理
著作権という相手をやっつけるための「武器」に飛びつく前に、
まずは自分の心に問いかけてみよう。
自分はなぜ嫌な気持ちになったのか?
自分はどうしたいのか?
批判が的外れだから悔しいのか?
批判が当たっているから悔しいのか?
批判の内容とは関係なく、言葉遣いが失礼だから腹が立つのか?
批判が度を越していて、誹謗中傷になっているから嫌なのか?
作品ではなく自分の人格を否定されたのが悲しいのか?
自分の作品にタダ乗りされている気がして不愉快なのか?
これ以上の批判をやめてほしいのか?
これまでの批判を取り下げて誰にも目につかないように
してほしいのか?
相手に謝ってほしいのか?
相手からお金がほしいのか?
心の中で渦巻くモヤモヤした思いを整理しよう。
著作権という武器
上記の色んな気持ちの中で
著作権という武器が有効になる可能性が高いのは以下の場合だ。
「自分の作品にタダ乗りされている気がする。
これ以上のタダ乗りをストップさせたい。
今までの分はお金を払ってほしい」
著作権はもともと小説などを許可なく勝手に使われるのを防ぐことで、
作者が経済的に損しないように作られた権利だ。
だから、いわゆる「海賊版」対策に有効だ。
見た目は批判しているような体裁をとっているけど、
実質的には作品にタダ乗りしているだけのものも、
「隠れ海賊版」だと言えるだろう。
(「村上春樹作品を批判する!」という本だが、
批判する文章は少しだけで、
あとは村上作品がまるまる掲載されているようなもの)
逆に言うと、上記のようなケースでなければ、
著作権は役に立たないことが多い。
「批判が間違っていたと認めさせたい!」
「謝ってほしい!」
いくらそう思っても、著作権は「筋違い」の武器になってしまう。
筋違いの武器では、勝てないことが多い。
(例:「脱ゴーマニズム宣言」事件)
批判に対しては、堂々と反論するのが一番の反撃になる。
あまりにもひどい人格攻撃の場合は、発信者の情報を開示させるなど、
いくつかの対策メニューがある。
弁護士さんに相談しよう。
著作権に頼らない方が良い場合も多い。
覚えおこう。
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