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グーグル VS ディズニー 抗争の勃発とその行方を予想する(4)

今回は、グーグルがその知力の限りを尽くして引き起こした

著作権史上最大のクーデター事件について見ていこう。

 

グーグルの発想

著作権には「左派思想」と「右派思想」がある。

 

右派思想は以下の主張をしている。

「作品はそれを生み出した作者のものなので、

 勝手に使うことは許されない!

 著作権を厳しくするべきだ!」

 

それに対し、左派思想は以下の考え方だ。

・作品(情報)は、みんなで共有した方がいい。

・誰もが自由に作品を楽しむ(情報にアクセスする)ことが

 できる社会が良い。

・作品の自由な流通を邪魔する著作権を弱くしよう!

 

左派思想のほとんどの人は、著作権のことを理解した上で

「今の法律は厳しすぎる!」と反発を抱き左派思想に傾く。

しかしグーグルは少し違う。

著作権の制度のことを知る前から、

ナチュラルに「情報をみんなで共有しよう!」と無邪気に考えていた。

「生まれながらの左派思想」だ。

 

「世界中の情報を整理し、

 世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」

 

ほとんど宗教的とも思える情熱で、

自社のミッションに取り組んでいった。

 

図書館に手を伸ばす

創業者のラリー・ペイジ氏とサーゲイ・ブリン氏は、

当初はグーグルに広告を載せることを嫌がっていた。

公平・公正な検索結果が「けがされる」感じがしたからだ。

しかし、広告であることが分かるように区別して表示すれば問題ないだろうと

気持ちに折り合いをつけ、

2000年以降は広告表示を解禁する。

これをきっかけにグーグルは巨額のマネーを稼ぎ出す媒体となった。

 

純粋な発想の左派思想だった彼らは、お金という力を手にし、

そのまま「左派思想の権化」へと成長していく。

 

膨大な資金が懐に入り始めた彼らは、

温めていた壮大な計画に手をつけることにした。

 

それが「Google Books」だ。

(当初のプロジェクト名は「Google Print」。)

 

彼らはこう考えた。

「ネット上の情報を集め、整理し、公開する事業は進んでいる。

 でも、ネット上にある情報の中にはロクでもないものも多い。

 それに、人類全体の知識から考えると、ほんの一部にすぎない。

 本当に価値のある知識が集まっている場所はどこだ?

 そうだ!図書館だ!

 図書館は、時の試練を越えて残されてきた重要な情報の宝庫だ!

 これを世界中の人々と共有できたら・・

 なんと素晴らしいことだろう!

 これこそグーグルの使命だ!」

 

ペイジとブリンの両氏は、

まずは出身校であるミシガン大学スタンフォード大学と交渉を開始した。

 

「図書館の蔵書を一冊のこらずスキャンさせてください!

 本は大切に扱います!

 費用は全てこちら持ちです。

 出来上がったデータはおたくにもお渡しします!

 悪い話じゃないでしょう?」

 

図書館側にとっても、確かに悪い話ではなかった。

本は歳月とともに傷んでいくものだし、いずれはデータ化しなきゃいけない。

でもお金がかかるしな・・・・と考えていたところだったのだ。

 

いくつかの大学や

ニューヨーク公共図書館のようなメジャーな図書館の同意をとりつけた。

計画は極秘で進められた。

テクノロジー企業としては珍しく大量の人員を投入し、

人力に頼ったスキャン作業を着々と実行していった。

(それぐらい本気だった。)

数百万冊の本がデータ化された。

人類の英知を保存し共有するという崇高な目標に向けて・・。

 

著作権的には

しかし忘れてはいけない。

本に書かれた文章には著作権がある。

図書館は単に物体としての本を持っているだけだ。

本の「所有権」はもっていても、その中身の「著作権」はもっていない。

著作権を持っているのは作家や出版社だ。

図書館の同意を取り付けたからといって、著作権的には何の意味もない。

著作権が切れている昔の本なら問題ないが、

そうでないものを勝手にスキャンしたり公開したりしたら、

著作権侵害になる可能性が高い。

この問題をどう乗り越えるか・・・

 

グーグルは❝とりあえず❞は、権利者の反発を招かない方法を提案した。

 

2003~5年に「Google Print計画」の内容を順次発表していく。

その内容は、こんなものだった。

 

「 出版社のみなさん!

 あなた方の出す本をグーグルの費用でスキャンします!

 そしてその内容の一部分だけを検索結果に表示できるようにします。

 そこから本の購入につながるように、リンクを張ります。

 きっと今まで以上に本が売れるようになりますよ!

 検索結果についている広告の売り上げは、あなた方とシェアします!

 悪い話じゃないでしょう?」

 

たしかに悪い話には見えなかった。

グーグルの費用で広告してもらえ書籍の売り上げが増える上に

それ以外の広告からもお金が転がり込んでくるのだ。

多くの出版社がグーグルの提案になびいた。

 

しかし、グーグルの提案はあくまでも❝とりあえず❞のものだった。

と私は推測する。

彼らは自分の信じる使命に対してブレることはない。

いずれは本の内容の全てを表示できるようにしようと目論んでいた。

 

また一方で彼らは、

図書館の本をすでに大量にスキャンしていることは黙っていた。

先に出版社を味方につけた上で、

「実は・・もう進めちゃってます!(テヘペロ)」と

後からバラした方がスムーズに進むと考えたのだろう。

 

 Google Books訴訟へ

2005年、十分な量の本を取り込んだグーグルは満を持して

Google Books(当時はGoogle Book Search)を試験公開する。

このときは図書館の本をスキャン済みであることを隠さなかった。

堂々と「ほら、こんなに便利なものが既に出来ているんですよ」と、

誇らしく発表したのだ。

 

彼らは、人間の知性と善意を信じている。

「きっと全ての著作権者が喜んでくれる!」

と期待していた。

 

しかし、期待通りの展開にはならなかった。

前回も説明したように、グーグルの発想は理系の科学者的だ。

「全ての文章はみんなに読まれたがってる」と考えている。

でも文系の作家たちは、そうは考えない。

「作品は自分のものだ。

 自分が許可したときだけ、利用できるのだ」

という発想だ。

こう考える彼らにしてみれば、

図書館の本を許可なくスキャンしたこと自体が冒涜行為になる。

 

Google Books計画は多くの作家と出版社の反発をまねき、訴訟に発展する。

全米作家協会と大手出版社5社が裁判所にかけこみ、本格的な争いになった。

(その後、全米出版社協会も参加。以下「アメリカ権利者」と書く)

 

右派思想のアメリカ権利者と、左派思想のグーグル。

戦いの火ぶたが切って落とされた。

 

グーグルの奇策

グーグルは前向きだ。

この裁判を「ピンチ」ではなく「チャンス」と捉えた。

「これを機に、全ての本の権利をクリアしよう!」と、

とんでもない奇策を考え付き、それを実行したのだ。

 

グーグルの天才的な策略を理解するには、

3つのポイントについて知っておく必要がある。

ベルヌ条約」「クラスアクション」「オプトアウト」の3点だ。

簡単に説明しよう。

 

ベルヌ条約

 ベルヌ条約著作権に関する世界的な条約だ。

1887年に効力が発生したという歴史的な代物で、

世界中の著作権の基本を定めている。

主要な国のほとんどが加盟していて、もちろん日本もアメリカも入っている。

中国や北朝鮮(!)も例外ではない。

 

著作権はそれぞれの国ごとに発生し、国ごとに保護される。

でもベルヌ条約の加盟国の国民なら、

全ての加盟国で自動的に著作権が発生することになっている。

つまり、日本人の村上春樹氏が恋愛小説を書きあげたのなら

自動的に日本でもアメリカでも著作権で守られる。

アメリカ人のスティーブン・キングがホラー小説を書きあげたのなら

自動的にアメリカでも日本でも著作権で守られる。

 

 これがベルヌ条約だ。

 

 クラスアクション

クラスアクションとは、たくさんの弱い人が被害者になってしまった場合に

使われやすい訴訟の形だ。

 

例えば、悪徳企業のワルモノ社という会社が消費期限を偽って

食品を販売したような場合。

多くの人が期限が過ぎて腐ったものを食べ、お腹を壊してしまう。

たくさんの消費者が被害者になってしまった。

ワルモノ社を訴えたいが、一人一人の消費者に出来ることは限られている。

弁護士を雇いたくてもお金はないし、

裁判に勝てたとしても大した賠償金は望めない。

それに日々の生活で忙しく大変な裁判をやりぬく時間がない・・。

 

こんなときに良いのが、クラスアクションだ。

一定の範囲のクラス(この場合はワルモノ社の商品を食べた被害者)を決め、

その代表者がクラス全員のために訴訟をできるという仕組みだ。

クラスアクションになると、

そのクラスに含まれる人は自動的に当事者になる。

被害者の一人一人は何も面倒な手続きをする必要がないという、

便利な制度だ。

 

ただしクラスの一員になった以上は、

その訴訟の中で決められたことに従う義務がある。

どうしても納得できなければ、

「私はクラスから外れます」と言うことはできるが、

その場合はあらてめて自力で何とかするしかない。

 

また、ワルモノ社と被害者クラスの代表者が和解した場合

(例えば「クラスの全員にお詫びとして1万円払います」のような)、

その和解内容が妥当なものかどうか、裁判所が判断することになる。

 

これがクラスアクションだ。

 

オプトアウト

何かをあなたが選ぶとき、無意識のうちに「初期設定」がある。

それが、「オプトイン」と「オプトアウト」だ。

 

あなたがランチを食べるとき。

目についたオシャレなカフェに入ることにする。

店内の席に座った以上は、何かを注文しないといけない。

美味しそうな生ハムとチーズのサンドイッチをお願いする。

注文した以上は、代金を支払わないといけない。

これが、オプトインだ。

「どの店に入るか?」「何を食べるか?」、まずあなたが決めている。

お店の側から勝手に決められているわけではない。

そしてその決定に従って、あなたに義務が発生している。

 

相手との何らかの関係に入るかどうか、まずあなたが決める。

あなたが決めない限り、自動的に何かが発生することはない。

これが、オプトインだ。

 

オプトアウトは、その逆になる。

日本人を両親にもち日本で生まれた場合、

基本的にあなたは自動的に日本人になるだろう。

日本人としての義務や権利が発生する。

自分で決めたわけではないのに。

どうしても嫌だったら、自分で手続きをし、

色んな条件をクリアして国籍を変えないといけない。

 

上記のクラスアクションも同じだ。

消費者は自動的にクラスの一員としての義務と権利を持つ。

それが嫌なら自分からクラスを抜けないといけない。

 

あなたはすでに初期設定として、相手と何らかの関係が出来ている。

そこから抜けたければ自分で手続きが必要。

これがオプトアウトだ。

 

 和解案

ベルヌ条約」「クラスアクション」「オプトアウト」。

この3点を理解した上で先へ進もう。

「クラスアクション」で訴訟を起こされたグーグルは、

それを逆手に取り、巧みに「ベルヌ条約」を組み合わせることで、

「オプトアウト」の形で著作権をクリアする手法を編み出してしまった。

「クラスアクション × ベルヌ条約 = 全世界オプトアウト」という公式だ。

どういうことか?その内容を見ていこう。

 

作家や出版社で構成されるアメリカ権利者は、

グーグルを訴えるにあたり、クラスアクションを採用した。

つまり、勝手に本をスキャンしているグーグルが悪徳会社のワルモノ社で、

権利を侵害されている作家や出版社が弱い被害者グループであると

見立てたわけだ。

 

クラスアクションである以上は、クラスの範囲を決めないといけない。

私の想像では、グーグルが巧みに誘導した結果だろう。

クラスの範囲は以下のように認定された。

「2009年1月5日までに公表された書籍等について、

 アメリ著作権法上の著作権等の権利を保有している全ての人物」

ざっくり言うと「アメリカで著作権をもつ全ての作家」だ。

 

ここでベルヌ条約を思い出してほしい。

世界中のほとんどの国の作家の著作物には、

アメリカでも著作権が発生している。

クラスの範囲が「アメリカで著作権をもつ全ての作家」と決まったせいで、

自動的に世界中の作家がこの訴訟の当事者になってしまった!

(もちろん日本の権利者だって含まれる)

一人一人の作家は何もしていないのに、

いつの間にか世界中の作家が巻き込まれていたのだ!

 

グーグルは迅速に動く。

クラスを上手く設定した上で、

クラスの代表者に有利にみえる条件を「悪い話じゃないでしょう?」と

提示し、さっさと和解を成立させてしまった。

 

和解の内容をきわめて大まかにまとめると以下だ。

 

・権利者はグーグルの行為に許諾を与える。

・グーグルは本をスキャンしてデータベースに保存できる。

・グーグルは本の内容の一部を検索結果に表示できる。

・グーグルは検索結果に広告を載せることもできる。

・グーグルは本の内容の購読権も販売できる。

・権利者はグーグルの売り上げからの配分金を請求できる。

・権利者が嫌だと思うのなら、

 データベースや購買権から外すように請求できる。

・権利者がグーグルに上記の請求をするためには、

 権利者が自分で「レジストリ」という団体に登録しないといけない。

 

もっと大雑把にまとめよう。

つまり、こう言っていることになる。

 

・世界中の権利者は、グーグルがすることに何にも文句を言いません!

・グーグルがお金儲けしてもOK!

・権利者がお金を分けてほしいときや、この仕組みから抜けたいときは、

 自分の方から手続きをします。

 

グーグルの「冒涜行為」を止めるために始まったはずの訴訟だが、

気が付けばグーグルの左派思想活動を強力に後押しするポジティブな内容に

すり替わっていたのだ!

 

オプトアウトの達成

これは、著作権・左派思想の人にとっては

長年夢にまで見ていた内容だ。

 

著作権の考え方の基本は、「オプトイン」になっている。

何もしない状態、つまり初期設定は「許諾がない」という状態から始まる。

利用者は、権利者に許諾してもらったときだけ作品を利用できる。

 

利用者たちは作品を使うために

必死になって権利者を探さないといけなかった。

がんばって調査したにもかかわらず権利者が不明のこともある。

その場合は作品を使えない。

相手が海外の人の場合もある。

やっと見つけた権利者と慣れない言葉や商慣習のもとで交渉し、

外国語で契約書をかわし、海外送金で許諾料を支払うことだってある。

そこまでの苦労をしてやっと使えるというルールなのだ。

 

これに対し、グーグルの和解案では「許諾がある」がデフォルトだ。

作品は基本的に自由に使える。

使えない場合だけ、権利者の方から「嫌だ」と言ってきてくれる。

つまり「オプトアウト」だ。

利用者の方から必死に権利者にアクセスする必要がない。

これにより、苦労のほとんどが解消される。

夢のようだ!

 

グーグルは

「クラスアクション × ベルヌ条約 = 全世界オプトアウト」の公式を使い、

法改正をすることもなく、著作権世界の秩序を

オプトインからオプトアウトに180度ひっくり返してしまった。

これは著作権史上最大のクーデーターだ。

 

長年のあいだ右派思想に負け続けてきた左派思想の支持者たちに、

グーグルが大逆転をプレゼントした。

著作権という理不尽で古い慣習は、

天才的な知性によって乗り越えることができるのだ!!

 

世界に衝撃

2009年に和解案の内容が明らかになると、

世界中の著作権業界に衝撃が走った。

 

いや、ほとんどの権利者や右派の思想家にとっては

衝撃とさえ言えないものだった。

単純に、訳が分からない。

あまりのことに「ポカーン」と口を開けて立ち尽くすだけだった。

 

そうなってしまうのも当然だ。

今まで当たり前と思っていた世界の秩序が全て逆転したのだ。

 

モテモテの女子大生を想像してほしい。

大学中のイケメンからデートのお誘いを受けている。

 

「おいしいお寿司を食べに行こう」

「ハワイに連れていくよ」

どんな魅力的なオファーを受けても、決めるのは彼女だ。

彼女に選ばれないと、男たちはデートに行くことはできない。

毎日が楽しい。

 

ところが、ある日突然「レジストリ・マッチング」という組織から

こんなことが発表がされた。

 

「全世界の女子大生の皆さん。

 あなた方は今日から世界組織レジストリの会員です。

 男性からのデートのお誘いは我々のアプリが受け付けます。

 あなた方はレジストリがマッチングした相手と

 デートに行かなければいけません。

 お寿司やハワイ旅行から我々の手数料を差し引いた分だけが、

 あなたの取り分です。

 この仕組みがどうしても嫌なら、抜けるのは自由ですが、

 ご自分で手続きしてください。

 まあ、素敵な男性はみんなレジストリに集まると思いますけどね」

 

モテモテ女子大生は、あまりのことに呆然となってしまうだろう。

これと同じことが、世界中の作家や出版社に起きたのだ。

 

その後の展開

世界に衝撃を与えたGoogle Books訴訟だが、

実をいうと面白いのはここまでだ。

この後の展開は、あまりドラマチックなものにならなかった。

 

和解案のあまりの内容に

アメリカの司法省が(部分的には賛成したものの)反対の立場をとった。

フランスやドイツの政府も反対の意見書を提出した。

 

裁判所は政府の意見を受けて空気を読んだのか、

和解案にGOを出さなかった。

 

和解案は修正された。

これにより、クラスアクションで影響を受ける人の範囲が大幅に縮まり、

世界の多くの権利者にとっては(ほとんどの日本人作家も)関係なくなった。

世界中の関心は急速に失われた。

 

それでも結局、裁判所が和解案を承認することはなかった。

不承認の理由はいろいろとあるのだが、

やはり著作権の長年の秩序であるオプトインをひっくり返す内容はダメですよ。

という点が大きかった。

 

和解は成立しなかったので、

あらためてグーグルの行為が著作権侵害になるかどうかが争われた。

 

最終的にはグーグルが本をスキャンし、保存し、

内容の一部を検索結果に表示する行為は、

フェアユース」にあたるということで、侵害ではないと判断された。

形式的には著作権侵害でも、

実質的にみれば権利者に悪いことしているわけではないという理屈だ。

こうして、グーグルは「侵害者」という汚名を免れることはできた。

 

グーグルのガッカリとイライラ

表面的にはグーグルが勝利したように見えるが、

この結果をグーグルの創業者たちはどう思っているのだろう?

 

スキャンすることまでは出来ても、

その内容の全てを世界中で共有することは出来ないのだ。

彼らが当初夢見ていた

「人類の英知の全てを、全世界で共有する!」という

壮大なビジョンから考えると、

ずいぶんと後退してしまったように感じているのではないか。

 

Google Booksのサービスは今でも提供されていて、

著作権が切れた昔の作品を中心に

色んな本の中身が見れるようになってはいる。

でも実際のところ、多くの人が活用しているようには見えない。

(あなたもGoogle Booksで、

 流行りの作家や好きな作家の作品を検索してみるといい。

 このプロジェクトから、あまり勢いを感じられないのが分かるだろう)

 

「どんな問題でも、知恵とテクノロジーを使って乗り越えられる」

そう信じていた彼らだが、著作権の壁は思っていた以上に高かった。

この壁は、ベルヌ条約を土台にして130年もかけて理屈を積み重ねて

作り上げられた強固な構築物なのだ。

天才の知恵で惜しい所まではいったが、

それだけで乗り越えたり回避したりできるような、

ヤワなもんじなかった。

 

株式公開のときには

ウォール街の因習を軽やかに飛び越えて見せた彼らも、

著作権には手こずっているようだ。

 

さらに、

最近ヨーロッパでは「EU著作権指令」という新たなルールが採決された。

著作権をテコにして、

グーグルを中心とする巨大IT企業を締め付ける内容になっている。

 

おそらくグーグルの内部では、

著作権に対するストレスが溜まっている。

「僕らはみんなのために情報を共有したいだけなのに。

 世界をハッピーにしたいだけなのに。

 なんで邪魔するのさ!

 みんな著作権著作権ばっかり言いやがって!」

と、生まれながらの左派思想家はイライラし始めているのだ。

 

爆発する日は近いかもしれない・・。

 

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左派思想の代表グーグルと、右派思想の代表ディズニーは、

いずれ激突するだろう。

 

次回は、両雄がどのようにぶつかり合い、どういう結末を迎えるのか、

想像力に頼りながら予想してみよう。

 

 

Google Books訴訟の全容については、以下の資料を参考にさせていただいた。

感謝申し上げます。

 

 

『コピライト』2014年9月号

増田雅史氏の講演録「Google Books訴訟と各国のデジタル・アーカイブ政策」

 

 

Twitter

https://twitter.com/Kei_Yoshizawa_t

 

www.money-copyright-love.com