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JASRAC 嫌いの人を、キャバクラから理解する

「ちょっと音楽つかっただけなのに請求書が来た!」

JASRACジャスラック)は金の亡者だ!」

「あいつらはカスだ!カスラックだ!」

 

あいかわらずJASRAC嫌いの人は多い。

JASRACから音楽を守る党」なんてものも出来そうな勢いだ。

 

JASRACから音楽を守る党 設立準備会

https://nojasrac.com/

 

今回はJASRACを毛嫌いする人々について考えてみよう。

 

キャバクラ

キャバクラというシステムのお店がある。

 

綺麗に着飾った女性が隣に座って水割りを作ってくれる。

自慢話、グチ、ウンチク、どんな話でも

「えー!すごーい!」

「おもしろーい!」

と聞いてくれる。

嬉しい。

つい調子にのって「フルーツ盛り合わせ」を注文してしまう。

僕のお気に入りの愛ちゃんも

「えー!おいしー!ありがとー!」

と喜んでくれている。

 

愛ちゃんは僕のことを好きに違いない。

思い切ってデートに誘ってみた。

 

「えー!うれしー!同伴かアフターで行きましょう!」

「いや・・お店とは関係なく2人だけで楽しみたいんだ」

「えー、私もあなたのこと好きだから、そうしたいんだけどー、

 お店に怒られちゃうんです・・」

「そんな・・」

 

仕方がないからお店を出ることにした。

そこへ黒服の人がスッとやってきた。

「お客様、本日はありがとうございました。

 お会計をお願いします」

 

5万円!

た、高い!高すぎる!

水割りを飲んだだけなのに、なんでこんなにするんだ!

フルーツ盛り合わせなんて、原価は数百円しかしないだろ!

 

「ボッタクリだ!」そう怒鳴りたい気持ちをグッとおさえて

黒服をにらみつける。

しかし彼は涼しい顔で

「適正なサービス料です」と言わんばかりだ。

 

仕方なく会計をすませて店を出る。

 

その後、愛ちゃんからメッセージが来た。

「今日はありがとー♡

 またお話したいな♡」

 

ほら見ろ!

愛ちゃんは僕のことが好きなんだ!

お店とは関係なく会いたいんだ!

僕と愛ちゃんの純粋な気持ちを邪魔しやがって・・・あの黒服め!

あいつ嫌いだ!!

 

悲しい気持ち

もしもこんなことを言っているオッサンがいたら、

悲しい気持ちになる。

 

このオッサンに「世の中の仕組み」を教えてあげる人はいなかったのか?

 

愛ちゃんと黒服は、単に役割分担をしているだけだ。

愛ちゃんは、接客サービスを提供してオッサンに好きになってもらう役割。

黒服は、しっかりと料金を回収する役割。

つまり、愛ちゃんは「愛され役」。黒服は「嫌われ役」だ。

個人個人がそれを意識しているかどうかは関係ない。

業界全体として戦略的に役割を分けているのだ。

だって、その方が儲かるから。

 

こんなことは、知識以前の問題だ。

生きる上での知恵というか、常識だ。

 
彼らの戦略にうまく乗せられている黒服嫌いのオッサンは悲しい・・・。

 

音楽

 音楽というジャンルの芸術がある。

 

素晴らしい感性をもった音楽家が作詞・作曲をする。

 

愛情、悲しみ、誇り、色んな気持ちを

心地よいメロディーに乗せて運んでくれる。

感動させられる。

この素敵な曲をみんなと共有したい。

自分のお店で流そう。

コンサートで演奏しよう。

僕のお気に入りの音楽家

「ぜひみんなに聞いてほしいです!」と言っていたし、

喜んでくれるに違いない。

 

お店は繁盛し、コンサートは成功した。

 

そこへ、JASRACがやってきた。

著作権使用料をお支払いください」

 

5万円!

た、高い!高すぎる!

音楽を流しただけなのに、演奏しただけなのに、

なんでこんなにするんだ!

音楽なんて、原価はゼロだろ!

 

「ボッタクリだ!」という気持ちでにらみつけるが、

JASRAC

「使用料規定に基づいた料金です」

とゆずらない。

 

その後、大好きな音楽家ツイッターでつぶやいていた。

「本当はお金のことなんか気にせずに、私の音楽を使ってほしい」

 

JASRAC方針に宇多田ヒカルさん「気にしないで無料で使って欲しいな」 歌手も一般人もネットで批判、反発、困惑…

https://www.sankei.com/entertainments/news/170206/ent1702060003-n1.html

 

ほら見ろ!

楽家だってお金のことを気にせず使ってほしいんだ!

 

純粋な音楽の喜びを邪魔しやがって・・・JASRACめ!

あいつ嫌いだ!!

 

再び悲しい気持ち

こんなことを言っている人が実際にいる。

悲しい気持ちになる。

 

この人たちに「世の中の仕組み」を教えてあげる人はいなかったのか?

 

楽家JASRACは、役割分担をしているだけだ。

楽家は、作詞・作曲をして音楽を好きになってもらう役割。

JASRACは、しっかりと料金を回収する役割。

「愛され役」と「嫌われ役」だ。

個人個人がそれを意識しているかどうかは関係ない。

業界全体として戦略的に役割を分けているのだ。


キャバクラほど露骨な分担ではないかもしれないが、

楽家JASRACの戦略も、相当分かりやすいと思うのだが・・

 

JASRACを嫌う人は、

キャバクラに通う黒服嫌いのオッサンと同じだ。

 

JASRAC嫌いの人は悲しい・・・。

 

優しく

世のJASRAC批判の中には、耳を傾けるべきものもある。

しかしネット上で見られる批判のほとんどが、

黒服嫌いと同レベルなのだ。

 

もしあなたの周りにJASRAC嫌いの人がいたら、

優しく接してあげよう。

できれば、世の中の仕組みについても教えてあげてほしい。

あなた自身が嫌われてしまわないように気を付けて。

 

上記の宇多田ヒカルさんの発言について、

彼女がどんな意図を込めているのかは知らない。

こちらの記事も一応よんでおいてほしい。

学校の授業ではもともと使用料はかかっていないという内容だ。

 

宇多田ヒカルJASRAC著作権料にツイート 内容を誤解していた?

https://news.livedoor.com/article/detail/12639151/

 

音楽とJASRACについては、こちらの記事でも解説しているので、

参考にしてほしい。

 

www.money-copyright-love.com

 

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音楽もキャバクラも、正しく楽しもう!

 


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