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全ては本が教えてくれる

本を読もう!

今回は、結論から言う。

 

本を読もう!

できれば、タブレットスマホではなく、紙の本で読もう。

 

メリットは沢山ある。

 

メリット1:モテる

あなたはデートの待ち合わせをしている。

あなたの方が、先に待ち合わせ場所につく。

すると、相手から連絡が入る。

「ごめん!20分遅れる!」とのことだ。

仕方がないから、あなたは20分ヒマを潰さないといけない。

 

一方、あなたのデート相手は、本当は15分ぐらいで着きそうなのだが、

少し余裕をみて「20分遅れる」とあなたに伝えている。

そして、予想通り15分後には待ち合わせ場所についた。

デート相手は、あなたを見つける。

 

あなたは、まだ相手が来るとは思っていない。

でも、相手はあなたを見つけている。

 

このとき、あなたは何をしているだろうか?

いや、「何をしているべき」だろうか?

 

そうだ。

紙の本を読んでいるべきだ。

スマホタブレットをいじくりまわしていてはいけない。

 

本を読んでいるあなたの姿を相手にしっかり見てもらおう。

相手が十分に近づいて来た気配を感じてから、ゆっくりと本から目線をあげ、

相手と目を合わせよう。

まるで、物語の中で運命的な出会いを果たした2人のように・・。

 

どうやら、人間の脳はかなり保守的にできているようで、

昔ながらのイメージに引っ張られやすい。

タブレットスマホで読書をしても、紙の本で読書をしても、

やっていることは変わらないのだが、

紙の本の方が、圧倒的に「知的」で「想像力ゆたか」に見える。

 

現在、紙の本を読む人は少数派になりつつある。

だからこそ、目立つ。

極端な話、本の中身を読んでいなくても構わない。

紙の本を読んでいる姿は、個性的で素敵なのだ。

 

もちろん、これだけでモテるようになるわけではないが、

小さなスマホを、シカメっつらでチマチマと操作しているライバルに

差をつけることは出来るだろう。

これだけで、本1冊分の元はとれる。

 

モテるようになるのは、デートの時だけではない。

あなたが就職活動、転職活動をしていたり、

芸能系のオーディションに申し込んだりしているのなら、

履歴書や自己紹介文を書くこともあるだろう。

そこに必ず「趣味:読書」と書いておこう。

これだけで、確実にあなたの「知的っぽい印象」がアップする。

 

あなたが、「体育会系・元気なタイプ」だったり、

「感性で生きるアーティストタイプ」だったり、

要するに「本を読まなさそうなタイプ」なら、

なおさら効果はバツグンだ。

ギャップがある人物は魅力的になる。

 

「今は〇〇系の本にハマっています」などと書ければ、なお良い。

それをきっかけにして、話が盛り上がるかもしれない。

最近の面接官は、「どんな本を読んでいるんですか?」と質問することを、

禁止されていることもある。

相手の「思想」を探るようなことは、やっちゃいけないからだ。

でも「〇〇系の本」と具体的に書いておけば、面接官も安心して質問できる。

 

メリット2:儲かる

本を読むと、知識が増える。

色んな考え方を頭にインストールすることで、

バランス良く物事を考えられるようになる。

逆に、❝バランスが悪い❞考え方を意識的にできるようにもなる。

「世の中全体としては、平均的にこういう考え方だが、

 自分は、敢えてこういう見方をしよう」

といった思考ができるようになる。

 

これは、「投資」するときに重要になる考え方だ。

 

世間と少しズレたことをする。

でも、そのズレは本人もしっかり分かっている。

こういう時こそ、儲かるのだ。

お金を投資するときでも、自分の時間や労力を投資するときでも、

必ず役に立つ。

 

私はこのブログを、

クリエイティブ業界、エンタメ業界に関心がある人に向けて書いている。

あなたには、できるだけ自由でいてほしい。

自由に面白いものを生み出してほしい。

そのための基礎になるのが、経済面での自由だ。

 

だから、儲けてほしい。

だから、本を読んでほしい。

 

この点については、いずれ別の記事で説明したい。

 

メリット3:楽しめる

3つ目のメリットは、単純だ。

 

読書は、楽しい。

 

本は、世界中にいる作者が、考えに考え抜いて、

あなたに届けるために書いたメッセージだ。

読んで楽しくないわけがない。

 

しかも、人類の数千年の歴史をかけて、無数の作者が書いてくれているのだ。

中には、書かれた時代では世界で一番頭の良い人が書いた、

あなた宛てのメッセージもある。

当時、世界で一番強い国を支配していた人が書いた、

あなた宛てのメッセージもある。

一番悲しい思いをしていた人からのメッセージもあるかもしれない。

あなたが生まれたその日に書き上げられた、

あなた宛てのメッセージもある。

 

何でもいい。

気になるものから読んでみよう。

 

必ず、素晴らしい本との出会いがやってくる。

 

秋のオススメ2冊

最近、私が「読書の楽しさ」を感じた本を2冊紹介したい。

 

まずは『ハーモニー』。

 

これは、SF小説だ。

 

著者は伊藤計劃(いとうけいかく)氏。

2007年に『虐殺器官』でデビューし、

国内のSF小説コンテストで、いきなり第1位を獲得してしまった作家だ。

2008年には、『ハーモニー』を発表。

その翌年、癌で亡くなった。

34歳だった。

 

つまり、この本は、著者が人生の最後に完成させた小説だ。

 

『ハーモニー』の舞台は、未来だ。

そこでは、医療技術が極限まで進歩している。

 

その社会では、人間の体の中に、沢山の小さなセンサーが入れられている。

だから、どんな小さな体の異変があっても、一瞬で発見され、

すぐに治療されてしまうのだ。

だから、誰も病気にならない。

 

誰も病気に苦しまずに済む、❝究極にやさしい世界❞が実現したのだ。

 

しかしそれは、自分の健康や体を、他人に管理される世界でもあった。

 

主人公の少女は、そんな世界が嫌になり、

絶食し、自殺しようとする。

 「自分の体が自分自身のものである」と証明するために・・・。

 

長年病気と闘っていた著者は、どんな思いでこの物語を書いたのだろう。

 

この小説、

設定の面白さやリアルさも素晴らしいが、

何より、文章がめちゃくちゃカッコいい!

先が気になって、どんどん読み進んでしまう。

 

そして、物語の後半に重要なテーマになるのが「意識」だ。

 

登場人物として、「意識のない人」という存在が現れる。

「意識がない」といっても、

気を失って、ぶっ倒れているわけじゃない。

その人は、普通に食事し、人と会話し、生きていくことができる。

単に「意識がないだけ」なのだ。

 

私はこの本を読んだとき、「意識のない人」というものが、

どういうものなのか、いま1つピンと来なかった。

なぜ意識がないのに、食事や会話ができるんだろう?

意識があるからこそ、「食事をしよう」と考え、物を食べることができるのでは?

意識があるからこそ、相手の言っていることを理解し、返事をし、

会話することができるのでは?

(この疑問は、私がオススメする2冊目の本で解消することになる。)

 

こんな謎を残しながらも、

物語は疾走する。

そして、人類全体をまきこむ巨大な陰謀が明らかになる。

そのとき、主人公の下した決断は・・・?

 

私は最後まで一気に読んでしまった。

オススメだ。

 

 

 

2冊目の本は、

『脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦』。

 

脳科学の最先端を紹介する本だ。

 

著者の渡辺正峰氏は、脳科学者。

つまり、物書きのプロではない。

だからこそ、文章から伝わってくる脳についての研究の雰囲気が、

何とも言えず、「嘘がない感じ」なのだ。

理系の人が丁寧に伝えようとする文章には、圧倒的な説得力がある。

 

渡辺氏が追い求めている謎が、これだ。

「どこから意識が生れているのか?」

 

そりゃー、当然、脳みそでしょ。

私たちはみんな、脳で物を考えているんでしょ 。

と答えて終われたら良いのだが、著者はこの答えに満足しない。

もっと突き詰めて考えていくのだ。

 

「具体的には、脳のどこに意識があるの?」

「どういう仕組みで意識が発生しているの?」

「そもそも意識って何?」

 

実は、こんな基本的な質問に対して、

現代の科学は答えを用意できていない。

 

「意識」については、ほとんど何も分かっていないのだ。

 

もちろん、脳の仕組み自体は、ほぼ解明されている。

脳は、「神経細胞」が集まってできたものだ。

神経細胞の働きは、伝わってきた電気を次の神経細胞に伝えること。

基本的には、これだけだ。

 

電気を伝えるだけなら、

私たちが持っているパソコンやスマホの中の電気回路だって、同じことをしている。

 

じゃあ、なぜ、スマホには意識がなくて、脳には意識があるのか?

 

この質問に、今のところ、誰も答えることができないのだ!!

 

この本を読めば、最先端の科学者が悩んでいる巨大な問題について、

一緒になって、❝深く悩む❞ことができる。

 

意識はどこから生まれるのか?

「自分が自分だと思っている自分」とは、いったい「何者」なんだ!?

この謎を、実感を伴って理解できたとき、

大きな「驚き」、そして、これまで感じたことのない「恐怖」、

少し遅れて、ワクワクするような「好奇心」が湧き上がってくる。

 

私は、この本を読むことで、

先ほどの『ハーモニー』をしっかりと理解できた。

「意識がないって、こういう意味だったのか!」と。

こうやって、関係なさそうな本が深いところで繋がっていることを発見するのも、

読書の楽しみの1つだ。

 

『脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦』は、

「文系」の人には、少し読みにくいかもしれない。

正直にいうと、私も内容に付いていけない所があった。

 

それでも、読む価値がある。

なんとなく分かったつもりで読み進めれば良い。

私はそうした。

 

 最初に書いたとおり、

「難しそうな本を読んでいるフリ」が出来れば、それだけで本の元はとれるのだ。

 もし、デート相手や面接官に「どんな本を読んでるんですか?」と聞かれたら、

この本をカバンから取り出し、こう言えばいい。

 

「昔から、多くの哲学者が悩んでいた問題をテーマにした本なんです。

 そして今は、科学者たちが全力で研究している謎でもあるんです。

 でも、さすがに難しくて、私の頭では完全には理解できないですね」

 

頭が良さそうに見えることは、間違いない。 

 

ぜひ、読んでみてほしい。

 

人間って何者なんだろう?

この世界はこれからどうなっていくんだろう?

そんなことを考えながら、秋空を眺め、また本を読む。

こんな読書は、最高だ。

 

 

関連作 

『ハーモニー』が気に入ったなら、

同じ世界観で伊藤計劃氏が書いた『虐殺器官』も楽しめるだろう。

 

 

「機械の意識」をテーマにした、

SF小説の古典『電気羊はアンドロイドの夢を見るか?』も名作だ。

映画「ブレードランナー」の原作としても有名だが、

映画とはかなり違う内容になっている。

その違いを探してみるのも良いだろう。

 

 

こうやって、関連する作品を次々と読んで、

読書の幅を広げていこう!

 

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