マネー、著作権、愛

創作、学習、書評など

2019-01-01から1年間の記事一覧

グーグル VS ディズニー 抗争の勃発とその行方を予想する(1)

私はグーグルとディズニーの間で争いが起きると予想している。 その抗争は、 経済的・ビジネス的な戦いである以上に、 思想的・宗教的な戦いとなるだろう。 そう考える理由と戦いの行方について、 これから数回かけて説明していこう。 著作権における左派と…

契約書はアートだ!(5) 作品を使わせてもらう場合

バーバリー、イソジン、リッツ、オレオ 「バーバリー」と言えば、イギリスの高級コートだ。 「イソジン」と言えば、日本中で親しまれている「うがい薬」だ。 「リッツ」「オレオ」と言えば、みんなが大好きなお菓子だ。 これらに共通する「あること」を知っ…

契約書はアートだ!(4) あなたの作品を使わせてください!と言われた場合

前回は「新規で発注を受けた場合」の契約書について解説した。 今回は「すでにある作品を使わせる場合」について考えてみよう。 「あなたのキャラクターをゲームアプリに使わせてください!」とか、 「あなたのブログを出版させてください!」のようなケース…

契約書はアートだ!(3) 依頼を受けて作る場合

新時代を迎えました。 令和の世では、 これまで以上に素晴らしく多様な文化作品が生まれることを願っています。 読者の皆様、今後ともよろしくお願いいたします。 場合分け 前回に引き続き、契約書との向き合い方について考えてみよう。 ここからは先は、場…

契約書はアートだ!(2) 基礎編

アベンジャーズ 『アベンジャーズ/エンドゲーム』を観てきた。 いやー、恐れ入りました。 とにかく作りが丁寧。 これだけ大量のキャラクターが入り乱れて戦っているのに、 それぞれの個性を生かした見せ場がしっかりとある。 ヒーローのコラボ作品にありが…

契約書はアートだ!(1) 心構え編

契約書クイズ 今回は、今までで一番実用的な話をしたい。 契約書との向き合い方についてだ。 あなたがフリーで活動しているクリエイターだとしよう。 どこかの企業から取引の話が舞い込んでくる。 「わが社のウェブをデザインしてほしい」という話かもしれな…

AIのことは、いったん忘れてしまおう。

問題意識 「人工知能は人間のコンテンツ作りをどう変えるのか?」という セミナーに行ってきた。 今回はこの報告をしよう。 ●コンテンツ東京 基調講演 https://d.content-tokyo.jp/cont/ 以前、人工知能とコンテンツ創作、そして著作権の関わりについて 書い…

日本語、その愛しさと切なさと心細さと(2) われわれは日本語を捨て英語に乗りかえるべきなのか?

令和! 新元号が発表された。 「令和」! やはり漢字2文字はしっくりくる。 私も日本人の感覚を持っているようだ。 ところが、海外の一部のメディアでは 誤解や批判とともに報道されているようだ。 「「令」は「命令・指令」という意味だ」 「「和」がレイ…

日本語、その愛しさと切なさと心細さと(1) 新元号はなぜいまだに漢字2文字なのか?

新元号! まもなく新元号が発表になる。 「どんな元号になるんだろう?」とワクワクしている人も多いと思う。 私には、確実に予想できることが1つだけある。 それは「新元号は漢字2文字になるだろう。」ということだ。 「何を当たり前のことを・・」と言わ…

ゴッホは天国でお金持ちになれるのか? 美術の特殊な世界(3)

ピカソとゴッホ 19世紀以降の芸術家として最も有名なのは、 ピカソとゴッホの2人だろう。 前々回の記事で書いたように、 ピカソは持ち前のマーケティング能力をフルに発揮し、 大金持ちになると同時に、モテにモテた。 ゴッホは生前、たったの1枚しか絵…

あなたもエコひいきしてませんか? ピカソ、バンクシー・・なぜ美術品だけが、あんなにも高額なのか 美術の特殊な世界(2)

以前の記事で「ダウンロード違法化」について解説していた。 www.money-copyright-love.com その後、法改正に向けて文化庁や自民党の内部で スッタモンダがあったようだが、最終的には見送られることになった。 ネット世論に配慮した安倍首相から、削除の指…

金魚を電話ボックスに入れちゃダメ! 現代アートと芸術の歴史を10分くらいで理解する 美術の特殊な世界(1)

金魚電話ボックス事件 現代アートの作家・山本伸樹氏が、奈良県の商店街を訴えた。 「自分のアートをパクられた!」という主張をしているのだ。 ●「金魚電話ボックス」巡り提訴 金魚の街、奈良・大和郡山の商店街に「著作権侵害」と美術家 https://www.sanke…

アリータ!スパイダーマン!ドラえもん! 最新キャラクター映画から貰ったもの

先週は「ダウンロード違法化」の法改正が行われつつある状況を解説した。 このまま進んでしまうのか・・・と思われていたが、 自民党でストップがかかったようだ。 ●ダウンロード違法化拡大、自民総務会が了承先送り https://www.asahi.com/articles/ASM314V…

スカートめくりを撲滅しよう! ~ダウンロード違法化について~

ある小学校での事件 とある小学校で、いたずら好きの男子生徒が女子生徒のスカートをめくった。 スカートめくりにショックを受けた女の子は、泣き出してしまう。 これを聞いた女子生徒の両親は激怒する。 「うちの大切な娘に何てことを! 学校の管理はどうな…

人口知能 × 著作権 第3次AIブームを振り返る(5)

今回の連載では、AIを入口にして 色んな方向へ考えを進めてきた。 ・作家やアーティストは、AIに仕事を奪われるのか? ・AIの活躍する時代に、コンテンツの長さはどうあるべきか? ・そもそも著作物とは何か? 今日は、これらの話題の中で掘り下げられ…

人口知能 × 著作権 第3次AIブームを振り返る(4)

AIは、短い作品なら作り出すことができる。 では、短い作品に著作権は発生するのだろうか? どの程度の長さから著作権は生まれるのか? AIが作った作品に著作権はあるのか? こうした疑問に答えたい。 今回は、これまでで一番「お勉強チック」な記事にな…

人口知能 × 著作権 第3次AIブームを振り返る(3)

今回は、「コンテンツの長さ」という視点で見てみたい。 AIが文化・芸術作品を作るうえでの特徴については、 以下のようにまとめられる。 ・長い作品、意味のある作品は作れない。 ・作品の「部品」になるような短いものなら作れる。 これを出発点に考えて…

人工知能 × 著作権 第3次AIブームを振り返る(2)

前回の記事では、 ・AIは大量のデータから学習し、どんどん勘が良くなっていく。 ・AIが文章の意味を理解することは絶対にない。 ということを確認した。 AIは、人間に代わって小説を書いたり、作曲したり、 映画を制作したりするようになるんだろうか…

人工知能 × 著作権 第3次AIブームを振り返る(1)

AIが人間を超える! AIに仕事を奪われる! AIが人間を支配する! ここ数年、毎日のように聞く言葉だ。 文化・芸術の世界でも、 AIが作曲できるようになったり、小説を書くようになったり、 美しい映像を作れるようになったりして、 作家・アーティス…

日本の文化を強くしよう。

あけましておめでとございます。 昨年の12月の記事では、 マンガ『ONE PIECE』の制作体制や、著作権の管理のあり方について扱った。 www.money-copyright-love.com すると、先日放送されたテレビ番組『ホンマでっか!?TV』で、 尾田栄一郎氏の自宅とアト…